政治を考えるP-3
政治とは?
「政治」とは何か?わかっているようで、わからない不思議な言葉だと思う。世間一般的に政治というときは、国権の作用というものを示すようであるし、国を治める、政を治める、政治は数といった表現もする。政治的解決をしなければならないとか、政治決着をつけるなど言う事もある。こんなときは密室で何やらいかがわしい話をするようなイメージもある。こんなふうに通俗的にいろいろな意味に使われますが、政治の定義は、政治家と政治学者の数ほどあるといってもよいと思います。自分なりに考え定義としてあげれば「政治とは、共同生活の向上のためにする、団体意思の構成及びその運用に関するいっさいの行動」ということになるでしょう。
政治がこの根本を遂行するための手段として成すものであるとすれば、この根本を意識しないで行う政治的行動は、衝動であり、遊戯であり、虚栄であり、或いは乱用ということであり、厳に慎まなければならないと自らを省みるところです。
民主主義
「民主主義」という言葉は、ファシズム国家に対抗した米英ソ大同盟の共通スローガンで、第二次世界大戦後に世界的シンボルとなったといわれています。
1947年11月11日イギリスのウィストン・チャーチル保守党党首はこう演説している。「民主主義は政治にとって最悪の制度だ。ただし、それ以外のこれまでの制度はもっと悪いものばかりだが」これには、それでもなお社会主義や全体主義より等よりはましだという自負が込められていたという。当時のイギリスでは民主主義の定着とともに「ビール一杯で一票」と言われるほど腐敗が横行したといいます。
名門貴族の出で、父親も保守党の指導者であり、「上流や中流階級だけでなく、貧しい層も含めた広い支持がなければ国政運営はできない」という保守党が長い議会の歴史で培った信条を受け継いだチャーチルですが、選挙で何度も落選という苦い経験を重ねており、民主主義観は複雑なようです。耳障りのよい言葉を並べた人気取りに陥りやすい大衆民主主義の政治を危惧していたといわれています。