原点を見つめて 『これからの自治体を考える視点』
地域経営・行政経営というけれど
「経営とは」→「人」「物」「カネ」を有効活用し、社会に対して新たな価値を生み出すものである。今、住民の豊な暮らしを保障していく上でも、地域経営の新たな戦略・戦術が問われている。
「豊かさの質の変化」は、目標や価値の多様化、混在化を示す。「人口減少による社会構造の変化」は、目標や価値の大転換を迫っている。「財政難」は、金の力による目標や価値の実現が簡単ではないことを意味する。こうした時代には、目標や価値について住民が十分議論することが大切だ。
自治体規模を考える視点として
「都市経営の単位」
都市経営の規模とはマーケットの大きさを指す。行政サービスは「儲かるからやるとか儲からないからやめる」といったものではないが、サービスの需要と供給については、おのずと「損益の分岐点」がある。行政サービスにおいて「ほしいもの、必要なもの」を展開していくには、規模、質、配置などマーケットを意識する必要がある。どのような良いサービスであっても破綻のような継続的な運営が不可能なものは、無用の長物と成りかねない。
「行政経営の単位」
「経営とは」→「人」「物」「カネ」を有効活用し、社会に対して新たな価値を生み出すものである。そして、考慮すべき点は「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」ことである。現在供給されているサービスも「ムリ・ムダ・ムラ」がないか点検する必要がある。「経営規模」「経営能力」などについても考える必要がある。
自治体においては、規模が大きかろうが小さかろうが、財源があろうがなかろうが、基本的に住民生活を下支えしていく責務がある。
「自治政治の単位」
相互に顔見知りが多く、フェイス・トゥ・フェイスの関係が成立しているのが農村など町村の特徴である。一方、隣は何をする人ぞといった匿名性の高いのが都市など大きな市の特徴である。
現在、全国的にいうと、人口5万人以下の市町村の市町村会議員の3分の1近くが無投票当選者で占められている。多選がいけないとはいちがいは言えないが、首長にも多選者が多く存在する。
一方、人口40万人を超える中・大都市になると、投票率はおしなべて50%を割り、政治参加の度合は極端に下がる。
行政ニーズの多様化・高度化が求められる中で、役所だけでなく議会にも能力アップが求められる。
(参考資料地方分権の道標発行静岡県広報協会)