政治を考えるP-1

「決断」が「現実」をつくり出す。
政治には、よく決断力が必要だと言われます。
決断には「決める前には決まっていない」という、当たり前だが不思議な性質があります。
物事を決める行為には、「現実をつくり出す」というはたらきがあります。決断しなければ、現実は生れてきません。これが政治の「決断」の本質だと考えます。
政治とは、ものごとを決め現実的な道筋を築いていくものだと思います。つまり決断によって、ある選択肢を現実化するということです。
政治とは、「ある範囲の人々全員を拘束してしまうような事柄を決めること」であります。
政治が必要なのは、それがなければ、社会の現実をつくり出すことができないからだと考えます。
大げさに言えば、すべての人々にとって否定できない「現実」をつくり出してしまうのが「政治」だと言えます。
社会も常に様々な選択肢の中から、政治というメカニズムによって、1つの「現実」を選び取っていかなければ具体的な機能はしません。その様々な選択肢のことを「政策」といいます。
決定の正統性が揺らぐと社会は混乱する。
「ある範囲の人々全員を拘束してしまうような事柄を決める」という点において、その決定を人々に納得させる手続きが必要となります。この手続きによって生み出されるのが、決定の「正統性」です。
人々が決定に従うのは、そこに正統性(正しい決定であること)を認めているからであり、政治的決定が現実をつくり出せるのは、その決定が正統であるからであると考えます。
決定の正統性が揺らぎ、人々が決まった事を決まった事と認められなくなった時、その社会は混乱していきます。
都市国家が政治を発展させた。
文明の発生により政治のあり方が大きな転換を迎えました。自然のサイクルに合わせ生活することから、社会を計画的に運営できるようになってきたという意味での変化です。
政治のスタイル
ギリシャでは「王制」「貴族制」「寡頭制」「僭主制」「民主制」の5つの政治スタイルがあったと言います。様々な政治制度の中で人は暮らしを維持発展させてきたとも言えます。しかし、その政治制度への不満から幾つかの争いが起きたのも事実です。
政治制度自体も選択肢とするような政治意識を持っていた文明は、ギリシャ人とユダヤ人だといいます。
民主制と投票
民主制はアテネで発達したといわれています。
構成する全員が対等な自由人の場合、特権階級も血縁による長老の仕切りも存在しない。会議における言論によって意思決定を行うこととなり、会議そのものに権限をもたせ、会議が下した結論が正統となる仕組みをつくりました。
既成の権限等かないと説得力の根拠はそれぞれの理屈となります。結論は急ぐが、議論が収束しないような場合、ある程度まで議論を進めたところで投票を行い、多数を集めた意見を全体の意思とするようにする。これが多数決の始まりだと言われています。