地方分権を考えるP-2
地方分権改革推進会議は6月17日に「事務・事業のあり方に関する中間報告」―自主・自立の地域社会をめざして―を小泉総理に提出しました。その内容は「補完性の原理」に基づき地方に出来ることは地方にまかせるとし、国と地方の役割分担をはっきりさせて事務事業の在り方を見直す改革の方向を示したもので、ナショナル・ミニマムからローカル・オプティマム(地域最適)の実現への転換を提唱しましています。
地方分権改革推進会議は昨年7月、総理の諮問により事務事業の見直し、税財源の確保、行政区域の三つを調査審議するため3年を任期として発足し、昨年9月から関係者(各省庁、地方公共団体、経済団体、学識経験者)のヒアリングを開始し、12月に論点整理を示し、その後の調査審議を経て中間報告をまとめました。この基本方向に沿って各省庁と具体的に検討を重ねて年内に最終報告をする方針でした。しかし、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(骨太の方針第2弾)が閣議決定されたことを受け、6月25日総理の直接指示により、骨太の方針第2弾を踏まえ、国と地方の事務事業のあり方、国庫補助負担金の廃止等に関する原案を10月を目途に作成し、提出してほしいとの指示があったようです。また、事務事業の見直しを踏まえた税財源の配分の在り方及び地方行政体制整備についても、今後検討することとしています。
地方分権改革推進会議の西室議長と水口議長代理が官邸に招かれて、その席で、「非常に御苦労いただいているけれども、特に地方分権は非常に重要な問題だから、よろしく。」との激励さてたといいます。また、2人から「各省は明らかに態度が変わってきました。地方分権が大事だし、大体その方向でいかなくてはいけないということにはなってきているが、具体案となると『検討しています』とか『その方向です』とかそういう話にしかならない。」と伝えたところ、それに対して、総理から、「各省から具体案を複数出すように言ってほしい。これは総理の指示だと言って構わない。」との話があったそうです。
矢継ぎ早に出される政府方針に対して、地方自治の主体性を踏まえしっかり見つめていく必要を感じています